敷地は、神奈川県横浜市の近隣商業地域（建蔽率80%、容積率400%）にあり、防火地域と準防火地域の境界線が敷地北側を横切っています。敷地西側には、6m道路を挟んで10階建てのマンションがあります。

　準防火地域の部分に建物を建て、防火地域の部分を駐車スペースにしました。これにより法規的仕様は準耐火建築物でよくなり、コストをその分おさえることができました。また同時に、北側隣接敷地の日照、通風の確保も実現できました。

　１階には、貸事務所とピロティを利用したクライアント用車庫があります。2階には、プライベートスペース（個室群）、3階には、パブリックスペース（居間、食堂、台所）を配し、私的空間・公的空間を立体的に分離しています。

　玄関は2階に、勝手口は3階にあり、屋外階段でアプローチします。鉄骨造の外部階段は、後のメンテナンスが大変で、これに代わるうまい材料がなかったものかと、今も考えをめぐらせています。

　3階のルーフテラスは、西側マンションからの視線をさえぎるために、東側に設けました。季節の良い時は、屋外室として利用でき、居間、食堂、廊下と一体にして、大きなパーティーを催すことができます。

　外壁のリシンは、写真ではわかりにくいのですが、かなり思い切った色を使っています。吹付け直後は、かなり赤く感じましたが、乾くとなかなか良い色合いになり、安心しました。工場でサンプルを何回か作ってもらい、クライアントと検討しましたが、最後は「えい!やあ!」という感じで決めました。