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進化の過程にある椅子 Ver.1
シナベニヤを使ったノックダウン式のインスタンス
-Concept-
Concept Data Sketch ▼ Drawing
Plan/Elevation/Section , Parts 1 , Parts 2

進化の過程にある椅子 Ver.1 シナベニヤ使ったノックダウン式のインスタンス  「座るための道具」から「空間を創り出すもの」に進化し、自分自身を飾るための「花器」の機能も備えるようになった椅子です。

 「進化の過程にある椅子」は、文字どおり「進化の過程」にあるので、そのオメガポイントは、いまだ定かでありません。 そこで今回は、現段階の「進化の過程にある椅子」をVersion 1 として「クラス」 ※1 化する作業から始めて、 その「クラス」を「インスタンス」 ※2 化するという手順を踏みました。

 まず、「進化の過程にある椅子」 Version 1 の「クラス」を定義しました。
 1. 背、座、脚を持つ。
 2. 座に「花器」を装着できる。
 3. 背の座側が鏡になっている。

 次に、「クラス」を元に「実験家具デザイン展 −椅子・テーブル・棚...−」へ出展する「インスタンス」を醸成するための条件を設定しました。
 1. 間口 1500mm×奥行き 900mm×高さ1800mmの枠内に展示可能なこと。
 2. 製作コストを押えるために、安価な材料を使用し、製作に当たって高度な技術を要しないこと。
 3. 搬入・搬出、運送の手間、経費削減のためノックダウン式とすること。


進化の過程にある椅子 Ver.1 シナベニヤ使ったノックダウン式のインスタンス  最後に、「クラス」定義と「インスタンス」化の条件をもとに、デザインを試みました。
 1. 背、座、脚、花器の下地は、シナベニヤを使用し、厚さもすべて12oに統一。
 2. 背、座、脚の組み立てには、釘、ビス等を使用せず単純な木組みだけにして、 一部、「押え」のために装飾を兼ねた「アルミ製パイプに串刺しにした円盤状の硬質ゴム」を使用。
 3. 鏡には、安価なアルミ製薄板(厚さ=0.1o)を使用。
 4. 花器の仕上げ材には、これも安価な真鍮製薄板(厚さ=0.1o)を使用。
 5. 人間から解放された「進化の過程にある椅子」は、自重と花器を支える強度しか持たない。


 ※1 「クラス」 オブジェクト指向プログラミング言語の C++ や Java で使用される「class」と同義で、オブジェクトの性質や振る舞いを定義したもの。

 ※2 「インスタンス」 オブジェクト指向プログラミング言語の C++ や Java で使用される「instance(実行時に作成されるオブジェクトの実体)」と同義で、「クラス」をもとに使用条件に合わせて作成されるオブジェクトの実例。

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